2015年9月27日日曜日

「春と修羅」 中村 彬さん写真展

現在、大三島美術館交流館では
大三島町在住、中村 彬さんの写真を展示しています。

写真は全てモノクロ、25作品。
一枚一枚手焼きしているそうです。

中村さんが切り取る世界、是非ご覧ください。

 
 
 

大三島美術館スタッフ 村上

 
 
~中村 彬さんより~
 
「春と修羅」
 
景色の中に自分が溶けだしていく感覚。
現実と心象との行き来。
その境界で揺らめき昇る感情の原始。
原始の感情・・・
意味が粒子にかえっていくような。
粒子に遡行し、粒子が遡行する。
誰にも語られない物語を見ていくこと。
 
 
「春と修羅」というタイトルは宮沢賢治の詩からもらいました。
でも、詩の内容を写真で表現しているわけではなく、撮影した写真に
通ずるものがこの詩の中にあったので、言葉をお借りしました。
 
モノクロフィルムで撮影し、一枚一枚手焼きをしています。ピントルーペで
フィルムの粒子を覗くとき、光を感光紙に焼きつけるとき、現像液の中から
像が立ち現われてくるとき、膨らむ思いがあります。それら作品制作の過程も
含めて写真なのだと思い取り組んでいます。
 
写真の見方にも色々あると思うのですが、写真の表面ぎりぎりまで近づいてみたり、
全体を見渡してみたりと是非身体を動かしながら見ていただけたらと思います。
あとは見た印象をそのまま素直に受け取っていただいて、そして、もし・・・お時間に
余裕がありましたらその感想をノートに書いていただけたらとてもとても嬉しいです。
 
                                             中村 彬