2021年5月20日木曜日

大三島出身のアーティストをご紹介する部屋の展示が変わりました #おうちでバリミュ

 大三島美術館には大三島出身のアーティストをご紹介する部屋があり、彫刻家 多和圭三氏と油画 村上佳苗氏の作品を展示しています。

多摩美術大学の教授をつとめ(現在は退官)、東京国立近代美術館にも作品が収蔵されている多和圭三氏の作品は、鉄を素材に制作されています。大三島美術館で展示している作品は、ごく小さい作品ですが、一人では持ち上げることが難しいほど重いものです。

        表面には叩いて叩いて創り出された跡が浮かび上がっています。



村上佳苗氏は、トーキョーワンダーウォール賞受賞、シェル美術賞や岡本太郎現代芸術賞に入選など、東京を拠点に活躍する作家ですが、高校卒業まで大三島で暮らし、大三島をテーマに作品を創作している作家です。
今回は、村上佳苗氏の作品を展示替えしました。昨年はコロナウィルスの影響で作家が大三島に帰って来れなかったことで展示替えを行えませんでした。今年も状況が変わらないのでリモートでやり取りしつつ、およそ1年半振りに展示を替えました。
去年、今年で制作された新しい作品も展示しています。

「霧」2019年

大三島の霧は“湧き出る”という言葉がぴったりです。どんどん湧き出て流れていきます。
   ↓ 大三島美術館の庭から鷲ケ頭山方面を見たところ。山頂はほとんど見えない。

ものの15秒ほどの間に、どんどん霧が流れていきます。
   

村上佳苗氏の、大三島をテーマにした作品は独特の雰囲気、色合いを持ちますが、
素人写真では なかなか伝わりづらいものです。ぜひ、本物を見に来てください。

5月末で臨時休館は終わる予定です。
大三島の景色を楽しむには晴れた日でないと、ということはありません。
雨の日でないと見られない景色もあります。梅雨のこの時期ならではの景色もあります。

雨の日のご来島の時は大三島美術館で、ゆっくりお過ごしください。
村上佳苗氏の描く大三島を見る → 「日本画の どうぶつえん」で動物の表現を楽しむ
→ 休憩室の壁一面窓から霧の立つ風景を楽しむ → 田渕俊夫記念展示室
                ※田渕俊夫先生の常設展示はここ大三島美術館だけ!

雨の日ならではの大三島をお楽しみください。

学芸員 稲葉